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次作を期待させる新劇場版「ヱヴァ」


2007年9月1日。映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が公開となった。アニメ史に残るテレビアニメシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」が10年ぶりに帰ってきたのだ。

“新世紀”と言うだけあって、世紀末の時代にマッチした暗いシナリオと、哲学的で、謎めいた展開のこのアニメ。過去、放送後に「劇場版」の映画が発表されたが、この映画も謎めいていて、結局みんな、それぞれが答えを無理矢理出す形で妙に疲れたのだが、ファンが逃げてしまうことはなく、むしろ、次を待ち望む形で終止したのだ。

当時、私は帰りが遅い日も、妹にテレビアニメを録画してもらい、必ず観ていた。思春期真っ盛りの痛々しい時期に、痛々しいほどストレートで巧妙な演出なのは、今となっても斬新で先鋭的だった。そのため、「新劇場版」が映画化すれば、浮き足立つのも仕方のないこと。

「ヱヴァ」を観るなら、新宿でと決めていた。ワイドショーか何かで、1997年の『劇場版「シト新生」』の公開日の模様をレポートを観たのだが、深夜にも関わらず、異様な人の多さに興奮した。グッズや関連本は飛ぶ様に売れ、話題は「エヴァ」でもちきり。その様を「エヴァ」現象と言って、当時は話を膨らませていた。

今回は、公開日の26時の回に行ったのだが、やはり深夜にしては混雑している。どうやら21時の回では、登場人物の綾波レイのコスプレをしている女の子が居たり、上映後に拍手が巻き起こったりと、エンターテイメントとして、みんなが楽しんでたようだ。

さすがに26時の回にもなると、マイペ-スな雰囲気。どう見ても世代ではなかろう若くてオシャレなカップルなんかもいて、各種人類取り揃えた感じ。隣に座っていた会社員風の男性はおもむろに紙袋から熱帯魚の入ったビニール袋を取り出して眺めていて、今日、新しい家族を迎える様子。やはりその魚の名前は、シンジか? 

「シンジ君、ここはあなたの家なのよ?」

なんて、いいながら……。

さておき、魚を買った日くらい真っ直ぐ家に帰れよ! と、思ったが、それでも劇場に足を運ばせる「ヱヴァ」。流石である。現代風「ヱヴァ」現象?! 上映まで少し時間もあったので外に出てみた。

黒地に白抜きの綺麗な看板の前で、タバコを吸う男性。彼も、黒地に白抜きTシャツ。(お揃いだね)と思いながら、よくそのシャツを観てみると、「ワンピース」(尾田栄一郎作、集英社)のTシャツ。「ヱヴァ」の公開初日に、カラーリングお揃いのワンピースTシャツ……。彼は無意識にそうしたのか、それとも、勇者なのか。本日1番の冒険王。背中が広かった。

当時と比べれば、「ヱヴァ」現象はあまり大きくはなかったが、世ではグッズの売れ行きが改めて急成長している。それは、この映画の内容が、ファンもうならせる、十分な物だったからではないだろうか。

10年前の映画では不思議な終わり方に賛否両論あったが、今回は、明確でかつ、オリジナルを細かく観ているファンへは、様々な形で、次回作への期待をそそる謎を含めていた。リメイクされた迫力ある戦闘シーンと、オリジナルストーリーへ別れてゆく場面展開など、見所満載。ぜひとも、アニメシリーズと併せて楽しんでほしい。